シロアリとクロアリは見た目が似ているため、間違われることがよくあります。しかし、両者はまったく異なる生態を持ち、対策方法も異なります。シロアリ被害を防ぐためには、シロアリとクロアリの違いを正しく理解し、適切な対応をとることが重要です。まず、最もわかりやすい違いは体の形状です。クロアリは体がくびれており、3つの明確な部分(頭部・胸部・腹部)に分かれています。一方、シロアリはくびれがなく、全体的に寸胴な形をしています。また、触角の形にも違いがあり、クロアリの触角は「くの字」に曲がっていますが、シロアリの触角は数珠のようにまっすぐです。羽アリが発生した場合、羽の形を確認することで判別できます。クロアリの羽アリは前羽が大きく、後羽が小さいという特徴がありますが、シロアリの羽アリは前羽と後羽の大きさがほぼ同じです。また、クロアリの羽アリは発生後にすぐ地面に戻ることが多いのに対し、シロアリの羽アリは巣を作るために飛び立ちます。家の中や周辺で大量の羽が落ちている場合は、シロアリの可能性が高いため、注意が必要です。生態の違いも大きなポイントです。クロアリは甘いものや食べかすを好み、屋外で生活することが多いですが、シロアリは木材を食べるため、住宅の柱や床下に潜んでいます。家の構造材が脆くなっていたり、木材に無数の小さな穴が空いていたりする場合は、シロアリによる被害が進行している可能性があります。もしシロアリが発生している疑いがある場合は、専門業者に相談するのが最も安全です。誤った判断をして対応を遅らせると、被害が拡大してしまう恐れがあるため、早めの確認が大切です。シロアリとクロアリを見分けるポイントを押さえ、適切な対策を取りましょう。