エアコン工事を依頼するとき、見積もりを確認していたにもかかわらず、当日に追加費用が発生することがあります。これは、現場の状況によって想定外の作業が必要になる場合があるためです。追加費用が発生する代表的なケースの一つが、配管の延長工事です。室外機を設置する場所が室内機から遠い場合、配管を延長する必要があり、その分の材料費と作業費がかかります。特に、マンションや戸建て住宅で、室外機をベランダではなく地面や屋上に設置する場合は、長い配管が必要になることが多いため、事前に業者に設置場所を相談し、配管の長さを確認しておくことが重要です。また、エアコン専用のコンセントがない場合や、電圧が合っていない場合も追加工事が必要になります。100Vのコンセントしかない場所に200Vのエアコンを取り付ける場合、電圧を変更するための電気工事が必要になります。この工事には、専用のブレーカーを増設する作業が含まれることもあり、費用がかさむことがあります。事前にエアコンの電圧を確認し、適切なコンセントが用意されているかをチェックすることで、追加費用の発生を防ぐことができます。穴あけ工事も追加費用が発生しやすいポイントの一つです。エアコンの配管を通すための壁穴がない場合や、既存の穴が小さくて使用できない場合は、新たに穴を開ける工事が必要になります。特に、コンクリート壁や鉄筋コンクリート造(RC造)の建物では、穴あけ工事が難しく、追加費用が高くなることが多いため、事前に建物の構造を確認し、穴を開ける許可を取っておくことが大切です。室外機の設置環境によっても、追加費用が発生することがあります。地面に直接置くことができない場合は、室外機を壁掛けにする必要があり、専用の金具を取り付ける工事が必要になります。また、屋根の上や高所に設置する場合は、作業の難易度が上がるため、追加費用が発生することが一般的です。工事費を抑えるためには、可能な限り標準的な設置場所(ベランダや地面)を選ぶことが望ましいでしょう。さらに、配管やドレンホースの処理が適切に行われていないと、後から修正が必要になり、追加の費用がかかることがあります。特に、配管の断熱材が不十分だったり、ドレンホースの勾配が適切でなかったりすると、冷暖房の効率が低下し、水漏れの原因にもなります。